本能に戻るために踊る
「私たちは、カオスを通し、本能に戻るために踊る」
ガブリエル、そしてジョナサンが言っていた言葉。
ローマのワークショップは感動的に終了した。
この会場のある田舎は、全然ローマとかイタリアへ来た気がしなかった。
この日、私はこの田舎を引き上げ、ローマの街中へ移ることになっていた。
私だけじゃなく、キャトリーヌもライドを必要としていたので、二人で頑張って乗っけてくれる人、探そうね!と。
終わった後、グループ写真を撮って、たまたま隣にいた女の子に私の手が伸びた。
なぜその子だったのかはわからない。ただ、今、聞かなきゃ、と思った。
「ねえ、ローマに住んでるの?」
「そうよ」
「車で来てるの?」
「うん」
「どこか近くのメトロまで乗っけてってくれることできる?」
「いいわよ」
そして、私のホテルの場所をいうと、自分の家の近所だったので、そこまで送ってあげるね、と。
一気に肩の荷が下りた。
キャトリーヌは、便乗させてもらって嬉しいわ、と喜んだ。
車の中で話が弾んで行くと、彼女の名前はコジマ(Cosima よくあるイタリア名なのだそうだ)で、日本に小島っていう苗字があるから、その人と結婚したらコジマコジマになるね、と笑った。
生まれもローマなの?と聞くと
「生まれはスイスのチューリッヒよ」
そこでキャトリーヌ、
「オーマイゴッド!私もチューリッヒよ!!!」
そこからキャトリーヌとコジマのそれ以外にも共通項がいっぱい見つかり、驚いた。
「マサヨ、あなた、私の住んでいる場所といい、生まれ故郷といい、小島という名前といい、これらのこと知ってて、私を選んだの?」
「いや、勝手に手が伸びただけなの」
踊り尽くした後の、さすが本能のなせるミラクル!
本能ってすごい、と目の当たりにした1日だった。
写真はコジマのフィアット前で。